2007 Fiscal Year Annual Research Report
ブレンステッド酸・塩基複合触媒を活用した不斉合成反応の開発
Project/Area Number |
19020027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹本 佳司 Kyoto University, 薬学研究科, 教授 (20227060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 清誠 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (10302168)
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Keywords | チオウレア / β-アミノ酸誘導体 / Mannich反応 / Petasis反応 / ジヒドロキノリン / Tf2NH / Dields-Alder反応 / 脱水素反応 |
Research Abstract |
β-アミノ酸誘導体の簡便合成法の確立を目指してMannich反応への応用を検討した。その結果、求電子剤としてN-Bocイミン体を用いれば、マロン酸エステル誘導体からβ-ケトエステルにいたる種々の求核剤との付加反応が、-78℃から室温の範囲で高エナンチオ選択的に進行し、β-アミノカルボン酸誘導体を収率良く与えることを見出した。次に、一般に不安定な炭素求核剤と考えられている有機金属試薬の利用を計画し、有機金属試薬単独では強い求核性を示さず、かつ空気や水にある程度安定で毒性の少ない点から取り扱いの容易な有機ホウ素試薬を炭素求核剤として用いたキノリン誘導体への不斉1,2-付加反応を検討した。従来のチオウレア触媒のジメチルアミノ基をN-メチル-2-アミノエタノールに変換した触媒分子が有機ホウ素試薬を効果的に活性化し、キノリン誘導体の2位のみにアルケニル基を位置および立体選択的に導入できることを見出した。種々の官能基を有するチオウレア触媒を用いた反応性と選択性の比較から、1,2-アミノアルコールが不斉発現と反応加速に必須であり、この部位が有機ホウ素試薬と四配位錯体を形成し、アシルキノリニウム塩のカルボニル基がチオウレアに直接、あるいは塩素陰イオンを介して水素結合することで、高いエナンチオ選択性が得られることがわかった。 Tf2NH触媒はazadieneとアリルシランを組み合わせた逆電子要請型のhetero Dields-Alder反応に有効で、2,4-二置換テトラヒドロキノリンと共にキノリン誘導体をまずまずの収率で与えた。本反応の詳細な検討から、同触媒が過剰の基質イミンの存在下でテトラヒドロキノリンの脱水素反応を触媒的に加速すること、また、cis-11の方がtrans-11よりも速く酸化される傾向にあることなどを明らかにした。これらの結果を利用して、種々のキノリン誘導体の効率的なワンポット合成法を確立した。
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Research Products
(5 results)