2007 Fiscal Year Annual Research Report
前周期遷移金属錯体の柔構造の自在制御による新重合触媒の創成
Project/Area Number |
19020035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真島 和志 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授 (70159143)
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Keywords | 重合触媒 / ジルコニウム / ハフニウム / 1-ヘキセン / ビニルシクロヘキサン / ポリムー / アイソタクチック / 共重合 |
Research Abstract |
近年、エチレンやα-オレフィン類の重合触媒として分子設計の自由度の大きい窒素などのヘテロ元素を含む多座配位子が用いられ注目されている。1)われわれは、種々の置換基を有するα-ジイミン配位子とテトラベンジルジルコニウムおよびテトラベンジルハフニウムとの反応により、置換基の違いにより3種のイミド錯体を選択的に合成することができることや得られ錯体がα-オレフィンの重合触媒となることを見いだした。ZrおよびHfのテトラベンジル錯体とα-ジイミン配位子との反応により、配位子のモノベンジル化が進行し、対応するZr錯体およびHf錯体が得られた。オルト位に置換基を導入した芳香環を持つ配位子を用いた場合も、対応するHf錯体が高収率で得られたが、Zrの場合は、熱的に不安定で単離できなかった。これらの錯体は、ベンジル基がα-ジイミン配位子のC=N結合に分子内1,2-付加した後、分子内で、水素移動反応が進行する反応機構で進行する。従って、Zrとアルキル基の結合に比べHfとアルキル基の結合が強いため、Hf錯体が単離できたと考えられる。アルキル基をもつ配位子とHf(CH_2Ph)_4を反応させた場合、低温から室温まで昇温することにより水素移動する前の段階の錯体が合成単離できる。得られた錯体を加熱することにより2つ目のベンジル化が進行し、ビスイミド錯体が得られる。イミノ-アミド錯体から導いたカチオン性アルキル錯体の合成を行った。得られた錯体は、エチレン、1-ヘキセン、ビニルシクロヘキサンの重合触媒となる。特に、ビニルシクロヘキサンの重合はアイソタクチック([mmmm]>95%)なポリマーが得られた。
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