2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ原子のキレーションを利用した炭素-水素結合の官能基化
Project/Area Number |
19020036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茶谷 直人 Osaka University, 大学院・工研究科, 教授 (30171953)
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Keywords | キレーション / 炭素-水素結合 / シリル化 / カルボニル化 / 配向基 / ピリジン / 一酸化炭素 / ジシラン |
Research Abstract |
フェニルピリジン類をジシランとロジウム触媒存在下、反応させるとオルト位の炭素-水素結合が選択的にシリル化されることを見いだした。配向基の存在は必須である。様々な配向基を検討したが、ピリジンがもっとも有効であった。今まで報告されているヒドロシランをシリル源とする炭素-水素結合のシリル化反応では、ほとんどの場合、高い変換効率を達成するために副生する水素の捕捉剤の共存が必要であった。本反応では、そのような水素捕捉剤が不必要な上に、従来のヒドロシランやジシランを用いる方法では導入困難なMe_3Si基を導入することができるのが特徴である。本反応では、フェニルピリジンを基質に用いた場合、モノシリル化生成物とジシリル化生成物の混合物が生成する。しかし、ピリジン環の3位にメチル基を付けるとモノシリル化が選択的に生成した。 さらに、ルテニウムカルボニルを触媒とする炭素-水素結合のカルボニル化反応の開発にも成功した。今までわれわれのグループで開発してきたキレーションを利用する触媒反応では、ピリジン、イミン、オキサゾリンのような窒素単座配位が中心であったが、適切な位置に2つの窒素原子を有する二座の窒素配向基を持つ芳香族アミドを用いて、カルボニル化反応の検討を行ったところ、新しい型式の炭素-水素結合カルボニル化反応を見いだした。量論反応を検討したところ、芳香族アミドがルテニウムに二座配位した錯体を単離することにも成功した。
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