2007 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-水素結合切断を伴う複素環化合物の直接的アリール化
Project/Area Number |
19020037
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 雅博 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (20183626)
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Keywords | 合成化学 / 複素環化合物 / 錯体触媒 / アリール化 |
Research Abstract |
本課題は、最近申請者がその開発に重点的に着手している、遷移金属触媒を用いた炭素-水素結合切断を伴う芳香族カップリングに関する研究を展開し、芳香族複素環化合物に直接的にアリール基やビニル基を効率よく導入する方法の開発を行おうとするものである。交付申請書に記したように、まず、含硫黄複素環としていくつかのチオフェン誘導体を合成し、その直接アリール化を検討した。代表例として、縮環ベンゾビチオフェン誘導体が、パラジウム触媒存在下かさ高い配位子を用いると、効率よく芳香族臭化物と反応し、対応する2, 7位ジアリール化物を良好な収率で与えることがわかった。生成物はいずれも比較的強い蛍光を示した。また、パラジウム触媒を用い、酸化剤としての2価の銅塩と酢酸リチウムのような弱塩基を促進剤として添加すると、チオフェン環、フラン環、ピロール環が効果的かつ選択的に2位でビニル化されることを見出した。従来、このタイプのビニル化は一般に酸性条件で行われるため、置換基に制限があったが、本触媒反応により、酸に敏感な第三級アルコールやアセタール基が共存しても反応が円滑に進行した。一方、安価な1価の銅塩を促進剤として用いる反応についても検討を行った。その結果、用いる塩基と溶媒を適切に選ぶことにより、ベンゾフラン、ベンゾチアゾールおよびベンズイミダゾールの2位が芳香族ヨウ化物により、それぞれ効率よくアリール化を受けることがわかった。
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Research Products
(9 results)