2007 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス共役錯体触媒システムの創製に基づく高度分子変換
Project/Area Number |
19020040
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 俊一 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨夜 徹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20397615)
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Keywords | レドックス / クロスカップリング / バナジウム / 酸化 / スマネン / ボラート / ハロペルオキシダーゼ / 臭素化 |
Research Abstract |
酸化的変換反応は、有機合成において基盤となる重要な反応である。酸素を最終酸化剤とする触媒的な酸化的炭素-炭素結合形成反応の開発ができれば、学術的な興味や意義のみならず、工業的観点からも環境負荷やコストの面において大きな波及効果が期待できる。本研究では、(1)ボラートの酸化的リガンドカップリング反応においてsp、sp^2、sp^3炭素配位子を検討し多様なπ電子系骨格誘導化反応へ展開するとともに、(2)バナジウムプロモペルオキシダーゼの活性部位を考慮した機能的な環境調和型触媒システムの開発を目的とし研究に取り組んだ。 ボラートの酸化的リガンドカップリング反応では、酸素雰囲気下、オキソバナジウムエトキシジクロリドで処理することによりsp-sp^2およびsp^3-sp^3炭素-炭素結合形成反応が進行することを新たに見出した。アルキニル基とアリール基を配位子として有するボラートでは、高い選択性でヘテロカップリング反応が進行することが明らかになった。これらの反応は、従来広く研究されてきたパラジウム(0)触媒によるクロスカップリング反応のような求電子剤と求核剤のカップリングとは相補的な関係にあり重要である。 バナジウム(V)を触媒、臭化カリウムを臭化物イオン源とするバナジウムプロモペルオキシダーゼ様臭素化反応に取り組んだ。この反応を用いてボウル型π共役系分子スマネンの臭素化を検討し、ジブロモスマネンを良好な収率で合成した。このジブロモスマネンを変換し、ボウル型の縮環π共役系分子の合成を達成した。また、このバナジウム(V)に基づく触媒システムの改良にも取り組み、過酸化水素による本臭素化の機能化に関する研究を展開した。
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Research Products
(11 results)