2007 Fiscal Year Annual Research Report
ホルムアルデヒドを1炭素資源とした触媒的新規化学変換
Project/Area Number |
19020044
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
森本 積 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授 (10324972)
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Keywords | ホルムアルデヒド / 触媒反応 / カルボニル化 / ヒドロホルミル化 / アルキン / ボロン酸 / アルケン |
Research Abstract |
本研究は,廉価で安定供給可能な1炭素資源の一つであるホルムアルデヒドの,従来にはない化学変換法を開発することを目的として行われた.具体的には,ホルムアルデヒドを一酸化炭素(CO)や合成ガス(CO/H_2)の代替試薬として利用し,簡便に安全に実施できる新しいカルボニル化プロセス,一酸化炭素フリーカルボニル化法の創出を目指した. 1.ホルムアルデヒドを一酸化炭素(CO)代替としたアルキン,ボロン酸との環化カルボニル化アルキンとアリールボロン酸を,ロジウム触媒存在下でホルムアルデヒドと反応させると,ホルムアルデヒドがあたかも一酸化炭素のように振るまい,環化カルボニル化が進行しインデノン誘導体を与えることを見出した.この反応において,種々のアルキン類やアリールボロン酸が適用でき,インデノン誘導体の新しい合成法として確立できた. 2.ホルマリンを合成ガス(CO/H_2)代替としたアルケンのヒドロホルミル化 ロジウム触媒による,ホルムアルデヒドを用いた1-アルケン類のヒドロホルミル化反応を開発した.触媒に対するリン配位子を適切に選択することにより,反応の位置選択性を制御することができ,極めて高い選択性(97/3-99/1)を持って,直鎖アルデヒドを合成できることが分かった. 以上,今年度の研究より,一酸化炭素ガスあるいは合成ガスを代替するという,ホルムアルデヒドの新しい化学的利用法を提供することができた.
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Research Products
(5 results)