2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19020051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑野 良一 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 准教授 (20273477)
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Keywords | カルボン酸オステル / パラジウム / ベンジルエステル / 有機金属触媒 / 求核置換反応 / 交差カップリング |
Research Abstract |
本年度は以下の2つの項目について研究を実施した。 (1)パラジウム触媒による酢酸ベンジル類の求核置換反応 二座ホスフィン配位子DPPFとパラジウム錯体[Pd(π-C_3H_5)(cod)]BF_4から反応系中で調製される錯体を触媒とし、酢酸ベンジルのマロン酸エステル炭素アニオンによる求核置換反応について検討したところ、第3級アルコールの1つである第3アミルアルコールを溶媒とした場合のみ円滑に反応が進行し、高収率で目的の求核置換体を与えることを見出した。さらに、マロン酸エステル以外の活性メチン化合物の炭素アニオンを求核剤として用いても同様の反応が進行し、この反応の基質適用範囲の広さを証明した。さらに、求核剤としてアミン、スルフィン酸塩のようなヘテロ原子化合物も、エタノールを溶媒として用いることによりベンジルエステルへの求核攻撃を円滑におこすことを見出した。 (2)sp^2混成炭素の酢酸エステルと有機金属化合物との交差カップリング 当初、ピコリン酸アリールと0価パラジウム錯体との反応を重水素化溶媒中で行い、核磁気共鳴装置で追跡した。しかし、その反応混合物に変化が見られず、アリール炭素-酸素結合の活性化に有効な遷移金属錯体を見出すことができなかった。そこで方針を変え、アリールスズと酢酸ビニルとの交差カップリングについて詳細な検討を行ったところ、ある種の金属錯体が反応を促進し、低収率ながらも目的の生成物を与えることを見出した。
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Research Products
(5 results)