2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルキンへのヒドロアリール化反応を利用する高度分子変換プロセスの開発
Project/Area Number |
19020053
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
北村 二雄 Saga University, 理工学部, 教授 (00153122)
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Keywords | ヒドロアリール化 / 白金触媒 / 複素環化合物 / ポリスチレン / クマリン誘導体 |
Research Abstract |
本研究では、金属触媒で反応を活性化させ、芳香族炭化水素のC-H結合を炭素-炭素多重結合へ直接付加させるヒドロアリール化を行い、種々の効率的分子変換反応を開発することを目的としている。 本年度は、白金触媒として塩化白金(II)にトリフルオロメタンスルホン酸銀を添加すると触媒活性が劇的に向上することがわかったので、種々の芳香族化合物とプロピオル酸との反応を行い、桂皮酸誘導体が良好な収率で得られることを明らかにした。 上記白金触媒を用いるヒドロアリール化反応を含硫黄化合物のチオフェンについて検討したところ、アルキンヘチオフェンが2分子付加するというダブルヒドロアリール化反応が起こることを見いだした。長時間の反応ではエステルが一部加水分解されるため収率の低下が見られた。そこで、プロピオル酸を用いて反応を行うと、高収率でジチエニルプロピオン酸が得られることがわかった。 以前、パラジウム触媒を用いてフェノールとプロピオル酸を反応させると、クマリン誘導体が一段階で合成できることを見いだした。本反応は非常に簡便で高収率な反応であるため、クマリン合成法として優れている。そこで、クマリン誘導体合成について詳細な実験手順を検討し、合成法をまとめた。 ポリスチレンを用いるヒドロアリール化反応により、ポリマーへの直接官能基導入について検討した。炭素-炭素二重結合をもつアルケニルカルボン酸の直接導入について検討したところ、パラジウム触媒を用いる反応で良好な結果が得られた。来年度引き続き行う。
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