2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマー担持HWE試薬:シス選択性の制御とリサイクラブル試薬の開発
Project/Area Number |
19020057
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
安藤 香織 Gifu University, 工学部, 教授 (70211018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 有二 岐阜大学, 工学部, 助教 (10192684)
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Keywords | HWE反応 / オレフィン合成 / シス選択性 / ポリマー担持試薬 / 試薬のリサイクル |
Research Abstract |
市販のMerrifield's resinとブタンジオールを反応させてアームを伸ばした後メシル化した。これをo-t-Bu-hydroquinone mono-THP ether反応させた後,THPをはずして1を合成した。また,methyl4-hidroxyphenylacetateのOH基をTHPで保護した後還元して合成したアルコールをMerrifield's resinと反応させた後THP保護基をはずして2を合成した。ジエチルホスホノ酢酸エチルとPCl_5を加熱して得たジクロロホスホノ酢酸エチルを塩基存在下1あるいは2と反応させた後,o-クレゾールおよびo-iPr-フェノールとそれぞれ反応させてポリマー担持HWE試薬AおよびBを合成した。また,ポリマー担持ではないが結晶性が良いために,ろ過などによりホスホン酸ジアリールを容易に分離できると考えられる試薬として(2,4-di-t-BuPhO)_2P(0)CH_2CO_2MeCをジクロロホスホノ酢酸メチルより合成した。得られた試薬Aと2-エチルヘキサナールの反応をNaI-DBUを用いて行なったところ収率61%で83%のシス選択性が得られた。試薬Bでは同条件下88%のシス選択性であった。塩基としてNaHを用いると選択性は81%に低下した。ポリマーのついていないCでは97%のシス選択性が得られた。オルト位のt-Bu基がシス選択性を高めていると考えられる。試薬Aではオルト位にt-Bu基があるものの,パラ位に電子供与性のアルコキシ基があるためにBに比べて選択性が低かったと考えられる。ポリマー担持試薬を用いるシス選択的なHWE反応において,最も高い選択性を得ることに成功した。今後は置換基を換える事によりさらに高い選択性を持つ試薬の開発を行ない,反応後生成するホスホン酸ジアリールから試薬のリサイクルを行なう方法を確立する予定である。
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Research Products
(10 results)