2007 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-窒素結合の活性化に基づく触媒的分子変換法の開発
Project/Area Number |
19020063
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
中村 浩之 Gakushuin University, 理学部, 教授 (30274434)
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Keywords | アレン変換 / パラジウム / ヒドリド転移 / 銅触媒 / チロシンキナーゼ / 複素環化合物 / 高度分子変換 |
Research Abstract |
本研究では遷移金属触媒を用いるヒドリド転移反応を利用して、中性条件下でC-N結合の活性化に基づく高度分子変換法の開発を目的とし研究を行っている。平成19年度はプロパルギルアミン誘導体からヒドリド転移反応を利用した1,3-二置換アレン合成法の開発に成功した。さらに、これらの反応手法を用いて、複素環化合物への合成応用について検討を行った。これまで、複素環化合物へのアレニル基導入反応はほとんど開発されておらず、それゆえ医薬材料としてのアレニル基の役割を系統的に研究されてこなかった。本高度分子変換法研究で開発した合成法を用いて、チロシンキナーゼ阻害活性として注目されているキナゾリン骨格へのアレニル基導入を行い、キナーゼレベル、細胞レベルでのチロシンリン酸化シグナルをELISAおよびウェスタンブロット法にて調べた結果、上皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼへの高い阻害活性が見られ、細胞をアポトーシスに導くことが分かった。さらに、炭素-炭素多重結合を有する置換基のチロシンキナーゼ阻害活性に対する活性相関を調べたところ、アセチレンタイプの三重結合>ビニル基タイプの二重結合>アレンタイプの二重結合>エチル基タイプの単結合の順で活性が低下することが分かった。
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