2008 Fiscal Year Annual Research Report
炭素―窒素結合の活性化に基づく触媒的分子変換法の開発
Project/Area Number |
19020063
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
中村 浩之 Gakushuin University, 理学部, 教授 (30274434)
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Keywords | アレン変換 / パラジウム / ヒドリド転移 / 銅触媒 / プロパルギルアミン / 高度分子変換 |
Research Abstract |
本研究では遷移金属触媒を用いるヒドリド転移反応を利用して、中性条件下でC-N結合の活性化に基づく高度分子変換法の開発を目的とし研究を行ってきた。平成20年10月にC-N結合の活性化に基づく高度分子変換反応の有機合成への応用の研究過程において"がんの増殖シグナル"を非常に強く、また非可逆的に阻害する有機化合物を偶然発見した。平成21年度は、以下の2つに関して研究を進めた。 (1) 本プロパルギルアミンの変換反応を利用し、アニリノキナゾリン骨格に導入することで、アレン化合物への変換が容易に行えることを見出した。In vitro上皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害活性試験を行った結果、既存の化合物より活性保持時間が長いことを見出した。これにより、アレン部位に基づく非可逆的相互作用の可能性を見出した。本成果は、「Enhancement of EGFR Tyrosine Kinase Inhibition by C-C Multiple Bonds-Containing Anilinoquinazolines」という題で国際ジャーナル「Bioorg. Med. Chem.」に報告した。 (2) 銅触媒を用いて、プロパルギルアミンの炭素-炭素結合活性化を伴うアルデヒド、第2級アミンとの3成分交換法を検討した。その研究途上で、新たにアセチレン化合物を加えることで、炭素一炭素切断反応を伴うアセチレン置換反応を見出した。本成果は「Copper(I)-Catalyzed Substitution Reactions of Propargylic Amines : Importance of Csp-Csp3 Bond Cleavage in Generation of Iminium Intermediates」という題でアメリカ化学会誌「J. Am. Chem. Soc.」に報告した。
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