2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19020067
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
小松 紘一 Fukui University of Technology, 工学部, 教授 (70026243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 靖次郎 京都大学, 化学研究所, 教授 (40314273)
村田 理尚 京都大学, 化学研究所, 助教 (30447932)
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Keywords | 水素内包フラーレン / 開口フラーレン / 温度可変NMR / フラーレンC70 / [4+2]付加反応 / ネオン |
Research Abstract |
新世代の炭素ナノマテリアルの重要な基幹材料と期待されているにもかかわらず、その製造効率が極端に低いため応用開発が大きく立ち後れていた内包フラーレン類の効率的有機合成のための分子変換技術を確立することを目的に本研究を行ない、下記に示す結果を得た。 1、水素分子を1個および2個内包した開口フラーレンの合成13員環の開口部をもつフラーレンC70を新たに合成し、これに高圧水素を作用させることによって、水素分子を1個および2個内包した開口フラーレンを合成した。さらに温度可変低温NMRを測定することによって、骨格内部の2個の水素分子が活性化エネルギー8 kcal/molで非常に速い相互位置交換運動を起こしていることを明らかにした。 2、水素分子を1個および2個内包したフラーレンC70の合成上記の開口フラーレンの開口部を先に確立した手法を用いて完全に閉じ、水素分子を1個および2個内包したフラーレン、すなわちH2@C70および(H2)2@C70を合成し、それぞれを純粋に単離することに初めて成功した。それらの物性を明らかにするとともに化学反応性について検討した。すなわち9, 10-ジメチルアントラセンの[4+2]付加反応において、見かけ上(H2)2@C70の方がH2@C70よりも約15%反応性が低いことを明らかにした。 3、ネオンを内包した開口フラーレンの合成先に合成した13員環開口部をもつフラーレンC60に対するバイヤー・ビリガー酸化により開口部を14員環に拡大し、これに高圧ネオンを作用させることにより、内包率約50%でネオンを含んだ開口フラーレンの合成に初めて成功した。
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