2007 Fiscal Year Annual Research Report
芳香環-アセチレン共役系オリゴマーの設計と高度分子変換
Project/Area Number |
19020069
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
豊田 真司 Okayama University of Science, 理学部, 教授 (80207646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 哲夫 岡山理科大学, 理学部, 助教 (40454805)
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Keywords | パイ共役系化合物 / アセチレン / アントラセン / 芳香環 / オリゴマー / カップリング反応 / 二重脱離反応 / 光付加環化 |
Research Abstract |
新しいパイ共役系化合物として,興味のある構造や機能をもつ芳香環(とくにアントラセン)とアセチレンを交互に連結したオリゴマーを設計し,それらを効率的に合成するための分子変換に関して以下の4項目の研究を行った. 1.ビルディングユニットの調製 オリゴマーを構築するために必要なユニットである1,8位にヨード基またはエチニル基をもつ3種類のアントラセン誘導体の簡便な調製に成功した. 2.カップリング反応 オリゴマー鎖を伸長するために,PdおよびCu触媒を用いたカップリング反応の条件検討を行った. Sonogashiraカップリングでは,副生成物としてジアセチレンが生じることがあるが,反応条件の検討によりある程度ホモカップリングを抑制することができた.末端アセチレン炭素の連結では, EglintonカップリングとPd触媒酸化的カップリングが利用可能であり,分子内環化では前者の反応が有効であることを見いだした. 3.二重脱離反応による三重結合の形成 二重脱離反応を利用してオリゴマー鎖を伸長する方法を検討した.モデル反応として,9-アントリル基をもつアルデヒドとスルホンを用いて実験を行い,ワンポットでジアントリルエチンが定量的に得られることを示した. 4.光と熱による鎖状オリゴマーの分子変換 鎖状オリゴマーに光を照射すると,アントラセン部の光[4+4]付加環化が立体選択的に起こり,その光生成物を加熱すると定量的に元の構造に戻ることを発見した.光と熱を用いた簡便な操作により,オリゴマー構造の規則的なfolding-unfoldingの機能を実現することができた.
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