2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19021004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永次 史 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (90208025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井本 修平 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (20447189)
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Keywords | ペプチド / クリックケミストリー / DNA高次構造 / インターカレーター / コンビケム / ランダムスクリーニング |
Research Abstract |
近年の研究の進歩にともない、遺伝子発現は配列情報だけではなくその高次構造が発現制御機構に重要な役割を持つことが次々とわかってきている。しかし高次構造は合成DNAでは証明されているものの生体内での構造の証明は極めて困難であり、特異的に結合する低分子化合物の開発が望まれている。本研究ではクリックケミストリーを応用したコンビナトリアル化学を用いてDNA高次構造を認識する分子を検索することを目的とした。本年度はこの方法で鍵となる、クリックケミストリー反応がDNA上において進行するかどうかについて検討した。具体的には末端アルキンを導入したDNA結合性のペプチド(1)とDNAにインターカレートするアクリジン誘導体(2)にアジド基を導入し、この2つの化合物間のクリックケミストリーがDNAをテンプレートとして進行するかどうかについて検討した。(1)と(2)を混合したのみで反応が進行しない条件化、ペプチドが結合する配列を持つ2本鎖DNAを添加したところ、反応は加速されることがわかった。さらにこの反応はペプチドと同じ結合部位を有するヘキストにより阻害されることも明らかにした。これらの結果はDNAをテンプレートとして(1)と(2)の反応が進行していることを示唆する結果であると考えられ、これらの方法が特定の構造を持つDNAに対する新規結合分子を検索する方法として機能する結果であると考えている。 さらにこのDNA上におけるクリックケミストリー反応は、固相上に固定化した末端アルキンを導入したペプチドとアクリジン誘導体の間で進行し、ビーズが蛍光を持つことが示された。この蛍光はDNA結合性ペプチドをもたないビーズとアクリジン誘導体の間では観測されないことから、ペプチドを結合させたビーズとアクリジンを用いたランダムスクリーニングによるDNA結合分子の検索法として展開できる可能性を示すことができた
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Research Products
(20 results)