2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路におけるタンパク合成モニタリング法の開発と応用
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19021009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥野 浩行 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (80272417)
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Keywords | タンパク翻訳制御 / シナプス可塑性 / 神経活動 / 部位特異的蛍光ラベル法 / 新規タンパク合成 |
Research Abstract |
局在タンパク翻訳は細胞局所のシグナル伝達を効率化し、細胞内情報の保持・統合・読み出しを制御し、細胞外変化に適応するために重要な役割を果たしていると考えられる。特に神経細胞において局所タンパク翻訳はシナプスの機能修飾など神経の機能に深く関与している可能性が高く、この機構を明らかにすることは神経細胞の恒常性・可塑性および疾患メカニズムの解明のため重要である。しかしながら、これまでは技術的制約により樹状突起上の個々のシナプスレベルでの局所タンパク翻訳の制御機構は解析が困難であった。本研究は、神経細胞における局所タンパク翻訳を可視化・定量する方法を確立し、また、シナプス刺激により任意のタンパク発現を制御することを目的とする。平成19年度においては局所タンパク翻訳の可視化法の開発および改良を目的として研究を行い、以下の成果を得た。 1.神経細胞における活動依存的、局所タンパク合成の可視化・定量 (1)部位特異的タンパク蛍光ラベル法を用いた新規タンパク合成検出プローブの開発・改良を行った。 (2)上記プローブを神経細胞に導入して単離樹状突起における局所タンパク合成の可視化に成功した。 (3)薬剤または神経活動依存的な遺伝子発現制御システムと組み合わせ、さまざまな時間枠におけるタンパク合成の検出系を構築した。 2.レポーターの神経回路への導入 上記プローブを効率よく神経回路へ導入する手段として (1)レンチウイルスベクターを用いたインビボ感染法 (2)子宮内エレクトロポレーション法 (3)遺伝子銃を用いた脳スライスへの遺伝子導入法 等の方法の条件検討を行った。
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