2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内情報伝達分子および分子間相互作用の時空間的イメージング技術の開発
Project/Area Number |
19021012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長棟 輝行 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
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Keywords | シグナル伝達 / バイオイメージング / 抗体 / 受容体 / FRET / スクリーニング / 細胞 / エレクトロポレーション |
Research Abstract |
本年度は, ノンラベルの細胞内シグナル伝達分子のリン酸化などの動的挙動を精密観測する細胞内蛍光免疫イメージング技術を実現するために、その材料となる抗体の迅速選択技術に関して検討を行った。まず、抗原としてsuperoxide dismutase(SOD)で免疫したマウスの脾臓から抗体可変領域を増幅してVL、VHおよびScFvライブラリーを調製した。これに受容体を連結したキメラ受容体ライブラリー遺伝子をIL-3依存性Ba/F3細胞に導入しIL-3を除去しSOD存在下で増殖した細胞を回収し、これらの細胞が有する抗体断片のSODへの結合性を評価した。その結果、偽陽性が多いという問題はあったが、抗原結合性抗体断片が得られたことから、本手法による抗体選択の実現可能性を示すことができた。 また、抗fluorescein抗体ScFvを各種サイトカイン受容体の細胞内ドメインと連結したキメラ受容体発現Ba/F3細胞を調製してtranswell plateで鉛直方向のmigration assayを行ったところ、マクロファージコロニー刺激因子受容体(c-fms)、幹細胞因子受容体(c-kit)および上皮成長因子受容体(EGFR)と融合したキメラ受容体発現細胞が抗原濃度勾配に従って遊走することが示された。また、ScFv-EGFRキメラ受容体を発現するNIH3T3細胞を水平方向の遊走が観察できるケモタキシスチャンバーで解析した結果、細胞が抗原に向かって方向性を持って遊走していることが示唆された。以上より、細胞の遊走性を指標とした抗体選択法への応用可能性を示すことができた。
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Research Products
(10 results)