2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19021015
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
相川 京子 (小島 京子) Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (80262351)
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Keywords | 糖鎖 / レクチン / グリコサミノグリカン |
Research Abstract |
糖鎖は複合糖質(糖タンパク質、糖脂質、プロテオグリカン)として脂質やタンパク質に結合した形で細胞表面に糖衣を形成している。また、細胞間隙に存在する細胞外マトリックスに豊富に分布している。これまでの研究で、細胞や組織の生理的と病理的の両方の状態において、糖鎖構造が変化することが明らかにされており、細胞表面の糖鎖は細胞状態を測る指標となる可能性が高い。実際、発生や分化段階で現れる特定糖鎖構造が同定されており、また細胞のがん化において出現する特異的な糖鎖が見いだされている。本研究では、細胞の状態を捉える新しい手法の開発の一環として、糖鎖結合タンパク質(レクチン)を使って細胞表面糖鎖のプロファイリングを行うことを目的にとしている。これまでにレクチンは糖鎖検出プローブとして汎用されてきたが、マンノース/グルコース、ガラクトース/N-アセチルガラクトサミンに特性を持つレクチンがほとんどである。そこで、本課題では硫酸化糖鎖を認識するレクチンを対象にとして研究を進めた。硫酸化糖鎖を認識するアネキシンレクチン(ヒトアネキシン2(hANXA2、hANXA5)、β-プリズムレクチン(ヒトZG16p)について、大腸菌の発現系でリコンビナントタンパク質を作成し、部位特的変異体の解析を行い、糖鎖認識ドメインを明らかにした。ZG16pについてループを挿入した構造改変体では、天然型より活性が上昇した。さらにZG16pについては結合する糖鎖の硫酸基の位置など、分子認識に関する詳しい情報を得ることが出来た。アネキシンレクチンについては蛍光標識を行い、プローブとして用いてがん細胞表面のリガンドの検出に成功し、アネキシンレクチンが細胞表面糖鎖のプロファイリングに使用することができる可能性を示すことができた。
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Research Products
(2 results)