2007 Fiscal Year Annual Research Report
テーパー状流路を用いた単一細胞からの瞬間RNA抽出と解析研究
Project/Area Number |
19021018
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高村 禅 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (20290877)
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Keywords | バイオナノ / マイクロ・ナノデバイス / 遺伝子 / 分子トラップ / RNA抽出 / μTAS / DNAトラップ / DNA解析 |
Research Abstract |
本研究は、平成19年度は以下の項目について研究を実施した。 1.RNA抽出条件の精査と品質の確認 RNAはトラップ条件やその後の解析手法もDNAと異なるため、本研究に適したRNAの抽出条件を精査する。今回、特に検出部と組み合わせることにより、抽出したRNAの品質の議論を行う。評価方法が問題であったが、早稲田・東京農工大の竹山先生のグループとの共同研究により解決しつつある。 2.単一細胞よりRNAを瞬間抽出し、解析部に確実に渡すためのチップ開発 実際に1細胞のRNAを瞬間的に抽出可能な、次に挙げる部位より構成されるチップを完成させる。 1細胞導入部、細胞破砕部、RNAトラップ&捕集部、検出部または検出部へのトランスファー部。プロトタイプを作成したが、幾つか問題点が見つかり、現在改良を行っている。また、チップの操作は煩雑になるため、コンピュータ制御の制御器を作成した。 3.RNA解析方法の開発 1細胞からの微量なRNAを解析するには、できるだけチップの外に取り出さずに解析することが重要である。本研究では、以下の解析方法の確立を試みる。 3-1チップ内集積化可能な簡易解析方法の開発 3-1 A PCR法 従来法との互換性を重視し、PCR後、TaqmanProbe法などの蛍光法で定量する手法をチップ内に組み込むことを試みだ。この項目で最も苦労したのは、溶液制御を行うためのバルブ等の組み込みと、サーマルサイクルの間の蒸発の抑制を両立させることである。バルブ等を組み込みやすいPDMSをチップのベース素材に用い、ガラスや、ポリエチレンなど気密性の高い素材を要所に用いる方法、チップの内部に水を還流し、PDMS素材中の水の蒸気圧を制御する方法、チップの外部の蒸気圧を制御する方法などを試みたが、最も効果的であったのはPDMS素材のPCR容器をミネラルオイルで満たし、そのオイル中でPCRを行う方法である。この方法により、PDMSチップ内でのDNAのPCR増幅に成功した。 3-2チップ外の装置を組み合わせたより高度な解析法の開発 1細胞から瞬間抽出プロファイル固定したRNAを、チップ内での解析に限らず、従来確立された方法や、最新の高度な方法で解析することも重要である。ゲルを用いてチップ外に取り出し、一般的なサーマルサイグラーを用いた解析に成功した。
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Research Products
(12 results)