2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19021020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 秀雄 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00237348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒島 孝明 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (40509080)
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Keywords | 一細胞RT-PCR / 無細胞タンパク質合成系 / ヒトモノクローナル抗体 |
Research Abstract |
免疫細胞ネットワークにおいては、B細胞の1個の細胞はそれぞれ1種類のモノクローナル抗体を生産しており、それが全体として10の8乗もの多様性を生み出し、巨大な生体防御機構を形成している。これを分子レベルで理解するためには、各細胞がどのような抗体を作っているのか調べることが必要である。本研究においては、研究者らが開発したSICREX法(1細胞RT-PCRと無細胞蛋白質合成系を組み合わせ、B細胞1個由来の蛋白質(ここでは抗体)を合成させる手法)を用いて、生体中の各B細胞がどのような抗体を作っているのか、さらにそれぞれの抗体が何を認識しているのかを網羅的に調べることができるシステムの開発を行うことを目的としている。昨年度の検討により、本システムの基本技術を完成させることが出来た。本年度はこのシステムをヒトに応用できるかどうかを調べた。モデルとして、B型肝炎ワクチンを接種された健常人より末梢血を採取し、ウィルスの表面抗原蛋白質を固定した磁気ビーズにより細胞を選択し、SICREX法により解析した。その結果約20%の効率で、抗B型肝炎ウイルス抗体が得られた。さらにそれらのDNA塩基配列を解析し、データベースと照合し、それらが確かにヒト抗体であることを確認した。以上の結果より、B細胞1個が保持する抗体の合成と配列決定システムを確立できたといえる。このことは免疫ネットワークの網羅的デジタル解析を可能にするものである。
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Research Products
(4 results)