2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19021028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊地 和也 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (70292951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 進 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30420433)
堀 雄一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00444563)
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Keywords | 希土類蛍光プローブ / 長波長励起蛍光増大型プローブ / 時間分解スペクトル |
Research Abstract |
細胞内での生体分子の真の機能を明らかにする上で、生体分子の機能を生きたまま可視化する技術は極めて重要である。本研究では、生きたままの機能を解析するために希土類錯体を用いた蛍光プローブの開発について検討した。希土類錯体を用いたプローブの利点は、蛍光寿命が長いため時間分解することにより、ノイズが少なくS/N比の高いスペクトルが得られることである。希土類蛍光プローブは、アンテナ分子と希土類金属錯体から構成され、アンテナ分子からの希土類金属錯体へのエネルギー移動により蛍光を発する。酵素反応を検出するための既存の希土類蛍光プローブは、消光型である・励起波長が短いなどの欠点があるため、本研究では、長波長励起蛍光増大型の新規希土類蛍光プローブの開発に関して検討した。従来の長波長励起蛍光増大型のプローブは、アンテナ分子にaminobenzyl基を持つが、励起波長が250nmと短波長であった。そこで、長波長励起を行うことができるように、アンテナ分子の探索を行ったところ、従来より長波長で励起し希土類から蛍光を発することの可能な構造を有するアンテナ分子の設計に成功した。このアンテナ分子がアミノペプチダーゼと反応するように改変した希土類プローブは、酵素反応により蛍光が増大することが明らかとなった。さらに、時間分解することで、希土類金属以外の分子由来の蛍光を除去することができることが示された。以上により、細胞のような多様な分子が混在する系においても分子の機能を選択的に可視化するための基礎的技術を確立したといえる。
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