2007 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体クロマトグラフ質量分析を用いた脂溶性代謝物の高速・高精度解析技術の開発
Project/Area Number |
19021031
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 健史 Osaka University, 薬学研究科, 助教 (10432444)
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Keywords | 超臨界流体クロマトグラフィー / 質量分析計 / メタボロミクス / 脂質 |
Research Abstract |
当該研究では,これまでにない分離モードを有した超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を効果的に利用した脂溶性代謝物の高速・精密分析系の構築を目的として種々の技術開発に取り組む.本年度は,検出器として質量分析計を用いた高感度の分析システムを構築し,種々の脂溶性代謝物の一斉分析系の開発に取り組んだ.また,代謝物の抽出・精製における超臨界流体抽出(SFE)の適用とそのオンライン化にも取り組んだ. 1. SFC-MSによる脂溶性代謝物分析系の構築 まず,各種脂溶性代謝物の標準品を用いて,SFCにおける分離条件ならびに質量分析計のイオン化の条件を検討した.次に,標準品の混合物を用いて分析条件を精査し,一斉分析系を構築した.リン脂質,中性脂質,糖脂質,スフィンゴ脂質などの14種の脂質混合物の高速一斉分析系の構築に成功した.全脂質の網羅的な解析にはシアノカラムを,構成脂肪酸などの分子種の詳細な解析が必要な場合にはODSカラムを使用するといったように,目的に応じてカラムを使い分けることによりSFCの特徴を生かした効果的な解析ができることがわかった.また,モノリス型のカラムを用いることにより構造が非常に類似したカロテノイド類の高速・精密分析に成功した.その他に脂溶性ビタミン類についても-斉分析系を構築した.さらに,それぞれの代謝物の検出感度,定量範囲についても調べた. 2. SFE-SFC-MSによる脂溶性代謝物分析系の構築 一般的な溶媒抽出では酸化されやすい脂溶性代謝物を安定に抽出することが可能なSFEのオンライン化に取り組んだ.光合成細菌を試料として,菌体中に含まれるコエンザイムQ_10の分析を試みた.抽出容器,プレカラム,分離カラム,配管等種々のシステム構成要素の精査および抽出・分析条件の検討を行い,オンラインSFE-SFC-MS分析系の構築に成功した.有機溶媒抽出法では確認できなかった還元体の検出に成功し,菌体中コエンザイムQ_10の酸化体・還元体の存在比を調べることが可能になった.
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Research Products
(8 results)