2008 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体クロマトグラフ質量分析を用いた脂溶性代謝物の高速・高精度解析技術の開発
Project/Area Number |
19021031
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 健史 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10432444)
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Keywords | 超臨界流体クロマトグラフィー / 質量分析計 / メタボロミクス / 脂質 / 超臨界流体抽出 |
Research Abstract |
当該研究では, これまでにない分離モードを有した超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を効果的に利用した脂溶性代謝物の高速・精密分析系の構築を目的として種々の技術開発に取り組んだ. 本年度は, 昨年度に引き続き質量分析計を検出器として用いたSFC-MSシステムの構築およびその応用研究ならびに, 超臨界流体抽出(SFE)のオンライン化技術の開発に取り組んだ. また, SFCにおけるキャピラリーカラムの適用技術の開発に取り組み, システムの高感度化を試みた. まず, 当該SFC-MS分析系の実用性を検証するために, 各種ダイズ試料を対象として脂溶性代謝物プロファイリングを試みた. 各種脂質の一斉プロフィリングによるダイズの品種判別に成功した. また, トリグリセリドに焦点をあてた脂肪酸側鎖の精密解析にも成功し, 当該分析系の有用性を示した. 次に, オンラインSFE-SFC-MSシステムの実用化を目指して, バルブシステムを用いた試料の連続抽出,分析が可能なシステムを構築に取り組んだ. 最大で9サンプルの連続抽出・分析が可能なシステムの構築に成功した. さらに, システムの高解像度化, 高感度化を目指して, HPLCにおいてその有用性が示されているキャピラリータイプのシリカゲルモノリスカラムのSFC-MSへの適用技術の開発に取り組んだ. キャピラリーモノリスカラムの接続が可能なスプリットシステムを構築し, さらに, 検出器として微流量対応高感度UVディテクターおよび質量分析計の接続に成功した. 当該研究において開発された各種技術は, 脂溶性代謝物の解析はもちろんのこと, 他の幅広い代謝物の解析に適用可能な有用技術であり, 今後, メタボロミクスにおけるキーテクノジーとなると思われる.
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Research Products
(10 results)