2007 Fiscal Year Annual Research Report
テロメアDNAを利用したカリウムイオンの蛍光イメージング試薬の開発
Project/Area Number |
19021037
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹中 繁織 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 教授 (60188208)
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Keywords | ヒトテロメア配列 / オリゴヌクレオチド / ピレン / カリウムイオン / エキシマー発光 / ハイブリット型4本鎖構造 / トロンビンアプタマー / FRET |
Research Abstract |
ヒトテロメア配列を有するオリゴヌクレオチドの両末端にピレンを導入したPSO誘導体(Py-Htelom-Py(C3),Py-Htelom-Py(C6))を合成した。これを用いてカリウムイオンまたはナトリウムイオン存在下で蛍光スペクトル測定を行った。その結果、カリウムイオン存在下で、Py-Htelom-Py(C3),Py-Htelom-Py(C6)いずれもピレンエキシマー発光は見られず蛍光強度の大幅な減少が観察された。吸収スペクトル、円二色性(CD)スペクトルまたはその温度変化、蛍光偏光の測定等によってハイブリット型4本鎖構造が優先して形成することが明らかとなった。カリウムイオンのセンシングの観点からは不十分なものであったが、ヒトテロメアDNAのカリウムイオン、ナトリウムイオン存在下での4本鎖構造に関しては有益な知見が得られた。そこで、両末端にFRET色素の組み合わせたトロンビンアプタマー(TBA)配列を利用したPSO誘導体(PSO-2)を利用した細胞内のカリウムイオンのイメージングについて検討した。PSOを細胞に導入したときに核へ輸送される可能性が示された.その際,核に存在するヌクレオリンとの相互作用の可能性が示唆された.また,これに伴い細胞死が引き起こされたが、このメカニズムはまだ明らかとなっていない。今後、細胞死を回避するためにアビジンなどのタンパクをPSOへ導入し,核への移行の抑制を試みることによって、細胞内のカリウムイオン変化をPSOにより蛍光イメージングできるものと期待される。
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