2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19021041
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石田 斉 Kitasato University, 理学部, 准教授 (30203003)
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Keywords | ルテニウム / ビピリジン / 非天然アミノ酸 / ペプチド / りん光色素 / 人工蛋白質 / ペプチド折り紙 / FLIM |
Research Abstract |
本研究代表者は、ビピリジン骨格を有する非天然アミノ酸として5' -アミy-2,2' -ビピリジン-5-カルボン酸を3残基導入したペプチドをルテニウム錯体化することによって、一定の折り畳み構造をもつ発光性人工蛋白質の開発を行っており、Peptide Origami (ペプチド折り紙)と名付けられている。このペプチド錯体はコア部分にルテニウムトリス(ビピリジン)型錯体を有するため、室温条件下においても、励起三重項からのりん光発光が観測され、同発光が長寿命かつ大きなストークスシフトを示すことから、細胞内における発光観測においてバックグラウンド発光を抑えることが期待される。本研究では、得られたルテニウム錯体をコアとする人工蛋白質を細胞(COS7およびHella)内に取り込ませ、共焦点レーザー顕微鏡により細胞内導入挙動について観察した。その結果、人工蛋白質は主にゴルジ体に局在化することが明らかとなった。さらに、百ナノ秒スケールの蛍光寿命時間イメージング(FLIM)測定により、完全にバックグラウンド光を消せることを確認できた。この人工蛋白質はペプチド鎖を有することから、シグナルペプチド鎖導入による細胞内局在制御や、センシング機能の付与など、高度な分子設計が可能であり、現在、細胞内で機能するりん光発光性分子センサーの開発を行っている。また、ルテニウム錯体が細胞内に取り込まれる機構についてはまだ明らかになっておらず、この点についても検討する予定である。
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