2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19021043
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
古田 寿昭 Toho University, 理学部, 教授 (90231571)
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Keywords | ナノバイオ / 光スイッチ / 合成化学 / 生体分子 / ケージド化合物 |
Research Abstract |
ケージド化合物とは、光分解性保護基で生理活性物質の活性部位を保護し、光によってその活性を時空間レベルで制御できる化合物のことである。ケージド化合物にターゲット認識能、細胞膜透過性、水溶性等の機能を付与できれば、これまでにない新しいタイプのプローブ分子となり、その有効性を更に高めることができる。基本戦略は、モジュール化による多機能化である。認識部位、光分解性保護基、および生理活性部位の3つのモジュールに分け、各モジュールについて複数の分子を用意できれば、用途に応じてモジュールを選ぶことで、さまざまな細胞機能を自在に光制御する最適な組み合わせを見つけることができる。これまでの研究でkey building blockとなる化合物の設計・合成と、機能性部位に長鎖アルキル基やペプチド、生理活性分子としてcAMPを導入できることを報告した。今年度は導入した機能性部位が実際に目的の機能を持つことを確認するため、ビオチンを導入した化合物Bio-Bhc-diazoを合成し、ヌクレオチドケージングに適用した。本研究室ではBhc-diazoを用いてRNAおよびdsDNAのケージングと、生細胞内におけるその光発現誘導に成功している。この時,ケージドヌクレオチドに分離または認識のためのtagを導入できると、その実用性はさらに向上する。アビジンビーズを用いてBio-Bhc-diazoでケージングしたDNAの分離精製を行うと、未修飾DNAはアビジンビーズにほとんど結合しないのに対し、ケージングしたDNAはBio-Bhc-diazoの濃度依存的にビーズに結合すること、ビオチン溶液と加熱することでビーズに結合したDNAがリリースされることを確認した。また、紫外光照射で導入したBio-Bhc基を外せることも確認できたので、アフィニティー精製とターゲッティング可能なケージドDNAへの展開が期待できる。
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Research Products
(18 results)