2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19021043
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
古田 寿昭 Toho University, 理学部, 教授 (90231571)
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Keywords | ナノバイオ / 光スイッチ / 合成化学 / 生体分子 / ケージド化合物 |
Research Abstract |
遺伝子の機能発現を光制御するために, DNA, RNA等のヌクレオチドをケージド化合物に変換するための「多機能ケージング試薬」を開発することに成功した。ケージド化合物とは, 光分解性保護基で生理活性物質の活性部位を保護し, 光によってその活性を時空間レベルで制御できる化合物のことである。ケージド化合物にターゲット認識能, 細胞膜透過性, 水溶性等の機能性部位を付与できれば, これまでにない新しいタイプのプローブ分子になる。そこで, 機能性部位と生理活性分子を別々に導入できるケージング試薬を設計, 合成した。機能性部位として, 長鎖アルキル基, ビオチン誘導体,機能性ペプチド,ペプチド核酸等を導入できることを確認した。このうち, ビオチン誘導体を導入した化合物Bio- Bhc- diazoを用いて,ヌクレオチドのケージド化合物合成に適用した。まずBio- Bhc- diazoによってプラスミドDNAのケージングが可能であること,および光照射でアンケージングされることを確認した。また, アビジン修飾磁気ビーズを用いてBio- Bhc- diazoでケージングしたプラスミドDNAと未修飾のプラスミドDNAが分離できることも明らかにした。同様にしてsiRNAのケージングと精製に応用できることも確認した。光で機能制御できて, さまざまな機能性部位を導入できるケージド化合物の例はこれまでになかった。プラスミドDNAやsiRNAのケージド化合物は報告されているが, 従来法では未修飾のDNAやsiRNAを分離して精製することも不可能であった。
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Research Products
(7 results)