2008 Fiscal Year Annual Research Report
縮合多環芳香族ユニットを主鎖にもつ新規π共役系高分子の創製
Project/Area Number |
19022006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 幸司 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (70345099)
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Keywords | 半導体物性 / 有機導体 / 光物性 / 高分子合成 / π共役系 / アセン / 高秩序集積化 / ヘリセン |
Research Abstract |
本研究は, 芳香環が直線状に縮環した梯子状ヘテロアセン骨格や芳香環がオルト位で縮環したらせん状ヘテロヘリセン骨格を主鎖に含有する新規π共役系高分子の合成と秩序的集積化による高機能発現を目的とする. 今年度の検討により, 以下の結果を得た. 1)フラン環2つとベンゼン環3つが縮環したジベンゾ[d, d']ベンゾ[1, 2-b : 4, 5-b']ジフラン(DBBDF)の誘導体を効率的に合成するために, 分子長軸方向にメトキシ基2つが置換したDBBDF誘導体を合成した. これを共通の出発原料として, 長鎖アルコキシ基やアリール基が置換したDBBDF誘導体を合成することに成功した. 本成果によって, DBBDF骨格を主鎖に有する種々の新規π共役ポリマーを合成できる. 2)中央のベンゼン環にヨウ素置換基2つをもつDBBDF誘導体とジェチニルベンゼンやジェチニルフルオレンなどとの共重合により, DBBDF骨格を主鎖に有する新規π共役ポリマーを合成することに成功した. 分岐または長鎖アルキル基が置換したモノマーをもちいることで, 有機溶剤に可溶化することができた. 各種スペクトル測定および電気化学測定の結果から, 得られたポリマーでは, それぞれのモノマーよりも共役系が拡張していることが示唆された. また, 得られたポリマーは, コモノマーとの組合せにより, 青緑色から黄緑色の蛍光を発することがわかった. 3)長鎖アルキル基8つを分子内にもつアザ[7]ヘリセンを新規に合成した. 得られた化合物は溶液中において会合体を形成していることが示唆された. また, 円偏光発光を確認した.
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