Research Abstract |
一連のサンドイッチ型錯体、bis[2, 3, 9, 10, 16, 17, 23, 24-octakis(3, 4-dialkoxyphenoxy)-phthalocyaninato]lutetium(III)({[(C_nO)_2PhO]_8Pc}_2Lu(n=8〜16) : ダブルデッカー(2))を合成した。その副生成物として、tris[2, 3, 9, 10, is, 17, 23, 24-octakis(3, 4-diakoxyphenoxy)phthalocyaninato]-dilutetium(III)({[(C_nO)_2PhO]_8Pc}_3LU_2(n=8, 9, 11, 12, 14, 16) : トリプルデッカー(3))を初めて分離精製することに成功した。ダブルデッカー(2)はn≧10で、トリプルデッカーはn=9, 11. 12, 14, 16でCol_<tet>相を発現し、いずれのCol_<tet>液晶相も自発的に大面積にホメオトロピック配向した薄膜を形成した。これらは、液晶半導体として太陽電池などに利用する際に大変有用な性質である。完壁なホメオトロピック配向を示すのにダブルデッカー(2)では長時間必要だが、トリプルデッカー(3)は約1分以内と非常に速かった。大変興味深いことに、シングルデッカー(1)、ダブルデッカー(2)、トリプルデッカー(3)の順で、Pc環は平面、非平面、平面となっており、ホメオトロピック配向性は、速い、遅い、速いとなっていた。配向性と平面性の関係を明らかにしたのは、我々の知る限り、本研究が初めてである。
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