2007 Fiscal Year Annual Research Report
疎水性共役高分子の新規分子組織化手法の開発と界面超階層構造の構築
Project/Area Number |
19022014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永野 修作 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (40362264)
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Keywords | ナノ構造構築 / 単分子膜 / 共役高分子 / ポリチオフェン / 階層構造 / 交互積層 / LB膜 |
Research Abstract |
前年度までに、多くの疎水性共役高分子が、液晶分子4'-ペンチル-4-シアノビフェニル(5CB)と水面上に共展開することで、新規な分子組織状態である広がった単分子膜となることを明らかにした。本年度は、この結果を踏まえ、これらの単分子膜を多層積層する新たな分子組織化手法の提案を行った。 有機薄膜トランジスタへの応用が期待されている立体規則性および非規則性のポリ(3-ヘキシルチオフェン)[HT-P3HTおよびP3HT]、立体規則性ポリ(3-ドデシルチオフェン)の単分子膜を共展開にて調製し、水平付着法により固体基板に転写することで多層累積膜を構築した。得られた多層累積膜をそれぞれ斜入射X線回折により構造解析し、スピンコート膜の構造との比較を行った。その結果、スピンコート膜は、配向方向の異なるラメラ構造を持つドメインが混在するのに対し、調製した多層累積膜は、基板に平行なラメラ構造を有することが明らかとなった。よって、本手法により、立体規則性や置換基のアルキル鎖の鎖長に依らず、いずれも電界効果トランジスタに理想的な配向を有するラメラ構造を構築でき、疎水性共役高分子の有用な分子組織化手法として提案できることがわかった。 現在、これらポリ(3-アルキルチオフェン)およびポリ(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-co-(ビチオフェン)[F8T2]の水面単分子膜を交互積層できることもわかり、新たな分子組織体への展開をすすめ、トランジスタ特性の検討も進めている。
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