2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19022019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安蘇 芳雄 Osaka University, 産業科学研究所, 教授 (60151065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家 裕隆 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80362622)
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Keywords | オリゴチオフェン / 分岐型オリゴチオフエン / 酸化還元電位 / 自己会合 / 電界効果トランジスタ / フラーレン / ペリレンビスイミド / 光電変換素子 |
Research Abstract |
共役系の電子構造制御による多機能階層の創製を目的とした電子構造に段差を有する次世代ナノ共役系の構築として,以下の研究を遂行した。 1.多分岐型オリゴチオフェンが高い溶解性にもかかわらず強い自己会合特牲を有し,薄膜状態で良好な正孔キャリア移動度を示したので,電子キャリア担体としてフラーレンの導入を行った。分岐部はチオフェン4量体から構成され,Pratoの反応でフラーレンを分岐の収束部に連結し,一置換体および二置換体を合成することができた。スピンコート薄膜から作製したFETの特性には系統的な変化が現れ,正孔移動度は分岐世代の増加に伴って順次増大した。また,典型的なambipolar FET特性が確認でき,多分岐型オリゴチオフェン部が正孔輸送経路を,置換されたフラーレン部が電子輸送経路を構築していることが分かった。 2.一方,多分岐オリゴチオフェン末端部へのフラーレンの連結は溶解性の著しい低下を招き,溶液からの薄膜作製が困難となった。そこで,分岐アルキル基の導入で溶解性が確保でき,πスタックに好都合な平面性と高いアクセプター性を有するペリレンビスイミドユニットの導入を行った。蛍光スペクトルではオリゴチオフェン部励起,ペリレンビスイミド部励起,いずれの場合も蛍光強度の著しい減少が観測され,効率的な光誘起分子内電子移動を示唆している。また,MALDI-TOF MSでは会合に由来するピークが観測された。予備的に作製したITOとアルミニウム電極からなるサンドイッチ素子で可視域での良好な光電変換特性を観測した。
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