2008 Fiscal Year Annual Research Report
チエニルポルフィリン類を用いた共役ポリマーの拡張と新機能の開拓
Project/Area Number |
19022035
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小柳津 研一 Waseda University, 理工学術院, 准教授 (90277822)
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Keywords | 高分子合成 / 高分子物性 / 有機導体 / レドックス / 共役系 |
Research Abstract |
本研究は、ポリマーのレドックス特性とバルク構造の相関を明らかにし、高効率な電荷貯蔵材料として確立することを目的とする。具体的には、ポルフィリンをレドックスサイトに有する共役系高分子錯体に関する従来知見を拡張し、迅速・可逆なレドックス反応を特徴とする有機レドックス中心に着目、主鎖にペンダント結合させたレドックスポリマーを合成する。機能ユニットの配向が無秩序から規則配列まで階層的に制御された一連の高分子を創出し、高次構造がレドックス部位の活性における電荷補償を支配していることを明確にし、高効率な電荷貯蔵材料として確立する。 (1) チエニルポルフィリン類の拡張 チエニルポルフィリン類の合成を縦続し、種々の中心金属を導入した。立体規制されたポリマーを得る反応条件を把握し、ポルフィリン配向度を決定した。 (2) レドックスポリマーのキャラクタリゼーション 可逆な-電子還元を示す有機置換基を探索した。縮合環のレドックスにより可逆な電極反応が期待できるポリマーを創出し、これらの成膜性、導電性等の基礎物性を把握した。 (3) 超構造構築と新機能の開拓 平滑で高密度の導電性ポリマー薄膜を用いて、膜厚制御された薄膜を基板電極上に形成させ、膜を介した電位・電流応答を解明した。膜内電子移動に由来する触媒機能についても明らかにした。 (4) レドックス機能の拡張と電子貯蔵材料への応用 レドックス活性が、導電経路に働く主鎖共役系により顕著に向上するとの知見を基に、電極触媒へと応用した。鉄ポルフィリンがスーパーオキシドの酸化触媒となりうることに着目し、不安定ラジカル種の高感度検出について検討した。これらを電子貯蔵部位として用い、電荷貯蔵材料としての性質を解明した。ユニット当り可逆的に1電子移動し、安定度高く高レベルドープ可能であることを実証した。
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Research Products
(5 results)