2007 Fiscal Year Annual Research Report
共役系オリゴマーの超分子配列を用いた革新的ナノリソグラフィー法の開発
Project/Area Number |
19022038
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
有賀 克彦 National Institute for Materials Science, ナノ物質ラボ, グループリーダー (50193082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HILL Jonathan P. ナノ物質ラボ, 主幹研究員 (30421431)
中西 尚志 ナノ有機センター, 主任研究員 (40391221)
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Keywords | ナノ材料 / 共役オリゴマー / 分子パターン / 超分子化学 / ポルフィリン / ナノリソグラフィー |
Research Abstract |
情報の高密度化、非常に効率のよいエネルギー変換、精緻な分子認識などの革新的機能には、ナノメートルスケールの構造の精密制御は欠かせない。その一方で、我々の実生活に寄与する材料は、目で見えるような大きさのバルクな素材であることが多い。我々の生活に革命をもたらすような新機能材料の開発は、これら相異なる二つの要素を盛り込んだ物質・材料をデザイン・作製することが必須となる。つまり、精緻なナノ構造の特徴を生かしたまま目で見えるような大きさの素材を組み上げることである。そのための有力な方法論の確立を目指して、我々は、硬い共役結合を持った分子やそのオリゴマーが、定まった形を持つことの着目し、それらが基板上に形成するパターンを鋳型としたナノリソグラフィー法の開発に取り組んでいる。上記研究課題の第一段階として、現在、いくつかの二次元パターンを作製することに成功した。tert-ブチル基を有するテトラフェニルポルフィリンが作るパターンでは、ヘキサゴナル相とスクエア相を可逆的に転移することが観測された。これらの相は、基板上でのコンフォメーション変化に依存している。また、別条件下で作られた相では、相境界を分子自らのゴンフォメーション変化で補っていることが確かめられた。立体障害の少ないメチル基を持つ誘導体を持つ化合物を用いた場合には、水酸基間の水素結合が可能となり、カゴメパターンが得られることが明らかとなった。現在分子構造とパターンとの間の関係の解明とともに、気-水界面などの別の界面で得られる集合体の構造転写などを検討している。
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