2007 Fiscal Year Annual Research Report
予期的行為の相互参照を通じた介護場面におけるロボットの依頼理解
Project/Area Number |
19024013
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
久野 義徳 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授 (10252595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 敬一 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80191261)
山崎 晶子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (00325896)
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Keywords | 知能ロボティックス / ユーザインターフェース / 社会学 / エスノメソドロジー / コンピュータビジョン / 介護 / サービスロボット / 非言語コミュニケーション |
Research Abstract |
高齢化社会をむかえ介護が大きな問題になってきている。本課題では、高齢者の意図がすぐわかる使いやすい介護ロボットのインタフェースの実現を目指して研究している。本課題では、はじめに介護施設での高齢者と介護士の間の相互行為を社会学の会話分析・相互行為分析の手法で調べ、その知見に基づいてロボットを開発し、最後にそのロボットと人間の間の相互行為を再度社会学の方法で分析して評価するという3段階のアプローチで研究を進めている。 本年度は、依頼の開始の部分に重点を置いて研究を行った。日本の高齢者介護施設では、一般に、一部屋に複数の高齢者と介護者がいて、どの介護者がどの高齢者を担当するかが決まっていないことが多い。そこで、実際に依頼をする際には、まず、依頼をしたい高齢者とそれに応える介護者のペアができなければならない。そのために高齢者施設で、訪問者の依頼場面に焦点をあわせたビデオ撮影を行った。 ビデオデータの分析の結果、基本的な依頼開始は次のように行われることがわかった。まず、介護士があたりを見回すなどして、サービスを提供可能な状態であることを他者に示す働きをする(availabilityの表示)。このような介護士を見つけると、依頼をしたい高齢者は介護士が自分の方を向くときに合わせて目を介護士に向ける。互いに向き合った瞬間、介護士は高齢者と目を合わせ、高齢者の信号を受け取れる状態であることを示す(recipiencyの表示)。そして、最終的に声や手をあげるなどの動作で確認をする。 この分析に基づき、カメラ画像から周囲の人の顔を検出し、その顔の方向で動きを止めながら頭部を動かし、見回している感じを示す(availabilityの表示)ロボットを開発した。人の顔が存在する方向で頭部の動きを止めたとき、その顔が正面を向くのを認識すると、頭部をその方向で止め、recipiencyの表示としている。
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Research Products
(7 results)