2007 Fiscal Year Annual Research Report
電子化診療情報の患者への提供のあり方に関する調査研究
Project/Area Number |
19024026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 隆一 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 准教授 (10191462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 和彦 東京大学, 医学系研究科, 教授 (40221121)
田中 勝弥 東京大学, 医学部・付属病院, 助教 (00361486)
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Keywords | 健康情報 / 生涯利用 / プライバシ / 自己決定権 / 電子化 / スマートカード / 自治体共通アプリケーション |
Research Abstract |
医療健康情報は医学の進歩に伴い、きわめて精度が高く大量の情報になっている。この情報は従来は省略・要約を行い簡潔な形式で患者に提供されていたが、電子化め進行に伴い、客観情報はすべて提供できるようになることが期待できる。第三者による保管が普及する可能性はあるが、診療情報の主権者である患者の判断で行われなければならない。つまり少なくとも一度は患者に対して提供され、患者は大量の診療情報に関して一定の理解をし、一時的にせよ管理を行うために情報へのアクセスの制限を行う手段が提供され、それを患者がコントロールできる必要がある。これらの問題が解決されない場合には自身の取得する診療情報の爆発的増加と管理の破綻が生じる恐れがあり、本人の受動的得失だけでなく、本人の意図しない利用によって被害を受ける可能性も否定できない。わが国をはじめ先進各国では生涯利用可能な健康情報データベース(Electronic Health Record:EHR)の構築に取り組んでいるがこのような問題に取り組んだ研究はない。本研究の目的はこれらの問題点の克服の手段としての情報提供のあり方を求めるものである。本年度は民間の付加的サービスを含めたEHRサービスのモデル化を行い、自治体に基本機能を持たせることで発展可能なモデルを構築することができた。さらに今年度一定の成果があった情報構造を含め、20年度は問題点の抽出と解決を着実に進め、EHR構築に資する提言をまとめる。
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