Research Abstract |
Wizard-of-Oz法を用いた,会話エージェント対ユーザの対話収集実験により,ユーザの視線・頭部姿勢の計測データ,発話音声を収集した. ユーザにボタン(「関心低下ボタン」と呼ぶ)を持たせ,会話への関心が低下したと感じた時に押すように指示すると同時に,もう一人の被験者に同様のボタンを持ってユーザを観察させ,ユーザが会話への関心を低下させていると思われる時に押すように指示した.この方法により,会話参加態度に関する主観的な評価データを収集した. ユーザの視線データから注視対象の遷移3-Gramを生成し, 3-Gramのパターンと関心低下ボタンが押下頻度との相関関係を調べた結果,全てのユーザにおいて,ボタン押下時には,関心低下頻度の高い3-Gramが頻出し,非押下時は関心低下頻度の低い3-Graiiiのみ表出していることがわかった. 以上の結果から,注視遷移パターンと会話参加態度の間には相関関係があることが示された. この分析結果を基に,会話参加態度推定方式を提案した.本方式では,個人ごとに注視対象3-Grainの分布をエージェントの説明開始から120秒間サンプリングし,重心法を用いてそれらをクラスタリングすることにより,関心度低下状態であるか否かを判断する閾値を設定する. この方式により,個人差に適応した会話参加態度推定が可能になった. 本推定方式を用いてユーザの関心低下を推定した結果,適合率:72.1%,再現率:70. 8%, F-measure:71.4% となり,個人適応をしない方式に比べて,大幅に精度が向上した.
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