2007 Fiscal Year Annual Research Report
大規模映像アーカイブにおける効率的な情報検索のための自動構造化
Project/Area Number |
19024036
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井手 一郎 Nagoya University, 情報科学研究科, 准教授 (10332157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 洋 名古屋大学, 情報科・科学研究科, 教授 (90362293)
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Keywords | ディレクトリ・情報検索 / 画像,文章,音声等認識 / コンテンツ・アーカイブ / 放送映像 / 意味構造 / 情報爆発 / マルチメディア統合 |
Research Abstract |
近年,大量の映像を電子的に蓄積・処理する環境が整ってきたため,研究代表者らは過去7年間にニュース映像を蓄積し,利用者の求めに応じて社会の出来事を長期間追跡し,映像の特性を活かして平易に理解できるようにすることを目指している.本研究では,そのために必要となる技術として特に,課題1)大量の映像から任意のほぼ同一な映像区間を高速に検出する手法,課題2)ニュース映像アーカイブ中の意味構造を解析する手法の開発を目指してきた. 本年度は,そのなかで以下の2項目につき重点的に取り組んだ. 「項目1)大量の映像から任意のほぼ同一な映像区間を高速に検出する手法の開発・利用方法の検討」ある映像から任意の同一映像区間対を検出するには,映像の任意区間同士の全対全照合が必要なため,映像長の2乗オーダの計算量を要する.本年度は,既に実現した特徴ベクトルの時空間次元圧縮による高速検出手法に対し,特徴空間のマージン付き適応的分割手法により,照合回数自体を減らすことで更なる高速化を実現した.また,クラスタ型計算機の使用を考慮した並列アルゴリズムへの拡張も検討した.更に応用例として,国内外の放送局によるニュース映像間の関連づけについて検討した. 「項目2)ニュース映像アーカイブ中の意味構造を解析する手法の開発・利用方法の検討」 直接関連するニュースストーリを時系列的に追跡する「トピックスレッド」構造の自動抽出手法につき,処理時間を短縮することで,数ヶ月にわたる出来事の起承転結や因果関係を追跡できるようにした.また,音声書き下しテキスト(Closed-captionや文字放送字幕)のみでなく,より確実な手がかりとして課題1)から得られる同一映像区間の存在も加味した手法に拡張した.さらに,トピックスレッド構造可視化インタフェース「mediaWalker」を実装し,本研究により得られた時系列意味構造を可視化することで,効率的に指定したトピックの映像を閲覧できるようにした.
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