2007 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザ・状況に適応的な音声対話による大規模情報の検索・提示
Project/Area Number |
19024044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河原 達也 Kyoto University, 学術情報メディアセンター, 教授 (00234104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 祐哉 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (90402742)
中村 哲 独立行政法人情報通信研究機構, 知識創成コミュニケーション研究センター, グループリーダ (30263429)
内元 清貴 独立行政法人情報通信研究機構, 知識創成コミュニケーション研究センター, 主任研究員 (60358885)
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Keywords | 情報検索 / 音声対話 / インタラクション / 話し言葉 / 音声認識 |
Research Abstract |
現状の情報検索システムでは,キーワードにマッチする数多くの候補がディスプレイに表示されて,ユーザがそれらを1つずつチェックするというインタフェースとなっている.これに対して,音声対話によりユーザに適した情報を検索あるいは効率的に提示する方法論を研究した.前年度に,大規模な知識ベースに基づいて情報案内を行う音声対話システムを設計・構築・試験運用した.これは,ユーザ・システム双方が対話の主導権をとりながら,インタラクティブに情報検索・提示するものである.Wikipediaのエントリを知識ベースとする京都の観光案内システムとして実装し,京都大学博物館において3ヶ月運用を行った結果,のべ2500人の利用者による25000発話を収集することができた.今年度は,この収集された対話のコーパスを分析し,対話システムの改善に向けた検討を行った.その一環として,発話の状況・意図に応じた発話のタイミングを分析した.その結果,(1)対話エージェントを擬人的に捉えているユーザと道具的に捉えているユーザでタイミングのパターンが異なること,(2)不自然なタイミングから対話の齟齬が生じた状況を検出できること,がわかった.また,適切な応答を効率よく行うための対話戦略を最適化する研究を行った.具体的には,適切な情報提示による報酬と冗長なターン数に基づくペナルティを用いてベイズリスクを定義し,これが最小になる確認・応答を動的に選択する方法を提案した.この枠組みにおけるパラメータは,オンライン学習により調整することが可能である.上記コーパスで評価した結果,試験運用の際に行っていた単純な対話制御と比較して,応答成功率と情報提示までの時間の双方において改善が得られた.
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