2007 Fiscal Year Annual Research Report
λコンピューティング環境における光共有メモリ構成手法に関する研究
Project/Area Number |
19024051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 健一 Osaka University, サイバーメディアセンター, 准教授 (60252722)
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Keywords | λコンピューティング環境 / 共有メモリアーキテクチャ / 分散並列計算 |
Research Abstract |
グリッド環境においては、分散した計算機間でのデータ転送やメモリ転送は一般的にTCP/IPを利用して転送されるため、パケット生成やパケット損失によるオーバヘッドが大きく、結果として計算機内のバスアクセス速度に比べ、非常に低速なアクセス速度しか提供できない。そこで、光ファイバなどで構成されたグリッド環境において、ある接続されたグループ間で光ネットワークの波長パスを利用し、高速なアクセスを可能とするアーキテクチャを提案した。この計算環境をλコンピューティング環境と呼んでいる。 本研究では、λコンピューティング環境において、高速な大規模計算を行うための新たな光共有メモリ構成手法を提案する。本年度における研究は大きく分けて、(1)広域分散環境での光共有メモリアーキテクチャの検討、(2)データ共有手法の検討と評価を実施した。 (1)においては、共有メモリの構成方法、計算機間の通信形態について分析し、実現可能な光共有メモリアーキテクチャを検討した。その結果、波長パス自体を共有メモリとして利用する共有メモリ型アーキテクチャ、各ノードの共有メモリを高速に接続する高速チャネル型アーキテクチャを対象とすることとした。 次に(2)においては、それぞれの共有メモリアーキテクチャに応じたデータ共有手法を考え、そめ評価を行った。共有メモリ型アーキテクチャでは、メモリアクセスタイミングの制約とキャッシュの整合性を考慮し、光リングネットワークの特性を考慮した無効化型ライトバックプロトコルを提案した。アプリケーションを想定して評価した結果、あるノード数までは並列化の効果が得られることが分かった。高速チャネル型アーキテクチャでは、AWG-STARシステムを用いて実装したが、PCIバスを経由した共有メモリボードへのアクセス時間が大きく、大きな効果は得られなかった。そのため、アクセス数を減らすソフトウェア改善により性能向上を図り、効果を得た。
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