2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学法を用いた金属多結晶の粒界近傍の現象把握と支配的メカニズム抽出
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19025002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
亀田 敏弘 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (40302393)
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Keywords | ナノ材料 / 結晶粒界 / 転位 / マルチスケール / 分子動力学 / 大規模数値シミュレーション / 巨大ひずみ / 格子欠陥 |
Research Abstract |
有限要素解析と結晶塑性解析を組み合わせた手法においては,構成モデルを決定することができれば粒界近傍特有の材料挙動を再現しつつ,マクロなスケールの予測ができると考えられる.この考えに基づき,粒界近傍の転位の挙動を分子動力学法を用いて,発生した転位の振る舞い,粒界と転位の相互作用,微小欠陥と転位の相互作用についての観察を行った.具体的には,対応粒界を持つ銅の双結晶を対象として,20×40×2[nm]の領域の数値シミュレーションを行った.対応粒界として,Σ3とΣ17bの2つのケースを比較のために用いた.Σ3対応粒界が転位のsinkとなっている状態,Σ3対応粒界が転位のsourceとなっている状態が観察された.nominal strainはそれぞれ6%,12%程度である.同様の挙動はΣ17b粒界でも観察された.また,Σ3対応粒界近傍に直径1[nm]のvoidを配置した場合のシミュレーションを行ったところ,転位の活動により,微小なvoidが消滅するという結果となった. 以上を要約すると、変形過程で粒内で生成した転位は結晶粒界に到達するといったん吸収されるが,さらに変形を加えると,再びその近傍から転位を生成する現象が観察された.また,微小な欠陥が,転位の活動に伴う原子の進入により消滅する現象も観察された.
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