2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19028014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 晃一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (40175659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛山 浩 東京大学, 大学院・工学系・研究科, 准教授 (40302814)
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Keywords | 理論化学 / 計算化学 / マルチスケールシミュレーション / 不均一触媒 |
Research Abstract |
我々の研究室では、基礎科学・工学的応用双方の面で注目されている触媒反応や電極反応などに代表される表面での化学反応の理解を目指し、固体表面での化学反応のシミュレーションスキームの確立を目指して研究を進めている。中でも我々が注目している不均一触媒反応は、気相(液相)と表面近傍間の輸送、表面への吸脱着、表面での拡散、反応といった、空間的にも時間的にもマルチスケールな問題であり、その物理化学過程の統合的なシミュレーションは非常に困難を極める。我々は、こうした表面化学反応の物理化学的過程を統合的に取り扱うマルチスケールシミュレーション手法の確立を最終目的とし、その基礎となる、(1)表面モデルの開発、及び、表面や吸着分子の電子状態の正確な記述、(2)表面における種々のゆっくりとした緩和過程を記述するための基礎理論の開発、(3)様々な空間・時間スケールで起こる表面反応に対する化学動力学計算手法の開発、を行っており、これらの研究を通して、表面ならではの現象の発見や新規触媒の提案を目指している。 本年度は、具体的な触媒として、高垣・堂免(東大・工)らにより開発されたニオブ酸化物であるイオン性結晶の固体酸触媒(ナノシート触媒)を取り上げ、量子化学計算を用いて固体酸触媒ナノシートHNb_3O_8上の強酸点の位置を特定し、得られた値を実験結果と比較することでモデルの妥当性を検証した。今後は、このモデルを用いて、表面反応の解析を進めて行く予定である。
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