2007 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸誘導体型アニオン性界面活性剤を用いたキラルなメソポーラス材料の創製と応用
Project/Area Number |
19028018
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横井 俊之 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 助教 (00401125)
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Keywords | メソポーラスシリカ / キラル細孔 / アニオン性界面活性剤 / 有機-無機ハイブリッド / 不斉自己触媒反応 |
Research Abstract |
本研究では、規則性無機多交孔体と有機物との相互作用を駆使して、不斉無機多孔体構造を自在に制御する方法を確立し、得られた知見を、新しい不均一系無機触媒に展開することを目標にした。 1.我々の研究グループはキラルなメソ細孔を有するメソポーラスシリカの合成に成功した。しかしながら、この材料の合成は種々の合成条件の影響を受け易く、合成範囲は狭く、ねじれた粒子以外にも球状粒子が生成してしまう問題があった。今回、合成溶液にアルギニンなどキラルな塩基性アミノ酸を適量添加することで、質の高いキラルなメソポーラスシリカを容易に得られることを見出した。 2.調製したキラルなメソポーラスシリカを不斉開始剤とする不斉自己触媒反応に関する研究を行った。その結果、メソポーラスシリカの不均一系無機触媒としての有用性を示すのみならず、シリカのキラル構造が有機化合物の不斉誘起につながった興味深い例を示すことが出来た。 3.キラルなナノ空間を有する多孔質シリカの調製には特殊なキラルなアミノ酸誘導体型界面活性剤を"鋳型"として用いる必要があった。今回、"アキラル"な界面活性剤を用いて、キラルな多孔質材料の調製に成功した。特筆すべきは、材料の組成である。従来はシリカのみの組成であったが、今回はシリカ骨格に有機基を導入したハイブリッド型キラルシリカである。特に、有機部位としてフェニレン基を用いると、フェニレン基同士のπ電子の相互作用によるスタッキングを誘発し、骨格内にフェニレン基の規則的な配列を達成し、細孔壁が結晶構造を有していることが分かった。今後、不斉吸着剤、不斉触媒へと応用が期待できる。
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Research Products
(5 results)