2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19028031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡崎 雅明 Kyoto University, 化学研究所, 准教授 (20292203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 久明 京都大学, 化学研究所, 助教 (30324693)
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Keywords | 触媒 / 支持配位子 / 鉄 / クラスター / 酸化還元 / 有機金属錯体 / リン配位子 / 電気化学 |
Research Abstract |
遷移金属クラスターは複数の金属中心すなわち多金属骨格に由来する多段階酸化還元過程を示し、併発する骨格構造変化を組み合わせることで、これまでに類をみない機能性分子を構築できる可能性がある。特に四核骨格では、酸化還元に応答して、四面体型、バタフライ型、hinge部位に結合を持たないバタフライ型へと相互変換が可能であり、興味深い動的挙動を示す。近年、我々は[(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(μ_3-CO)_4]とLiAIH_4との反応により、四鉄部位がhinge部位に結合を持たないバタフライ型構造をとるビス(アセチレン)クラスター[(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(HCCH)_2]を高収率で得ることに成功している。このクラスターの2電子酸化体は、溶液中では2つの異性体の平衡混合物として存在することが明らかとなっており、酸化還元に応答して機能を発現する分子群への応用が期待できる。今回、[4Fe-4C]骨格を置換基として有する酸化還元応答型のリン配位子の創製について研究をおこなった。[(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(HCCH)(HCC-Br)](PF_6)をNEt_3存在下、HPPh_2と反応させることで、[4Fe-4C]骨格上へ直接、PPh_2基を導入することに成功し、[(η^5-C_5H_4Me)_4Fe_4(HCCH)(HCC-PPh_2)](PF_6)([1](PF_6))を収率65%で得た。[1](PF_6)をCp_2Coで還元することで、中性体1もほぼ定量的に合成することができた。1の電気化学的挙動を明らかにすると共に、パラジウム、白金、金との錯形成反応を行い、生成物の構造を単結晶X線構造解析により明らかにした。
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Research Products
(4 results)