2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体模倣ビルドアップ型ヘリックス2次構造による不斉触媒の開発
Project/Area Number |
19028052
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 正一 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (00227175)
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Keywords | ヘリックス / 環状アミノ酸 / 2 次構造 / ペプチド触媒 / 不斉エポキシ化反応 / フオールドマー / 協奏触媒 / 不斉触媒 |
Research Abstract |
独自なキラル環状アミノ酸を設計・合成し、そのアミノ酸から一定のヘリックス2次構造を形成するフォールドマーを合成し、2次構造解析を行い、その生体模倣ヘリカル・フォールドマー分子を不斉エポキシ化反応の触媒あるいは協奏不斉触媒として利用することを目指した。研究計画は、1:キラル環状ジ置換プミノ酸の設計・合成 2:ペプチド・フォールドマーの設計・合成 3:ペプチド・フォールドマーの2次構造解析 4:ヘリカルなフォールドマーを不斉触媒とした不斉反応の開発 の4段階で進めた。 1.キラル環状ジ置換アミノ酸の設計・合成:独自なキラル環状ジ置換アミノ酸を大量合成した。また、新規な環状ジ置換アミノ酸を設計・合成し、その合成条件の最適化を行った。 2.ペプチド・フォールドマーの設計・合成:光学活性環状ジ置換アミノ酸を含有する各種ペプチドーフォールドマーの設計・合成を行った。特に、今回はアミノ酸配列としてL-Leu中に環状アミノ酸を導入したオリゴマーを液相法により合成した。また、固相法による合成も条件などを調べた。 3.ペプチド・フォールドマーの2次構造解析:合成したペプチド・フォールドマーの2次構造解析を単結晶の作成によりX線結晶解析、あるいは、溶液状態で^1H NMR,CD,IRを利用して行った。その結果、L-Leu中に環状アミノ酸を導入したオリゴマーは、ペプチドの長さにより、3_<10>-ヘリックスからα-ヘリックスへの転位が起こることが分かった。 4.ヘリカルなフォールドマーを不斉触媒とした不斉反応の開発:生体模倣ヘリックス2次構造を形成するフォールドマーを触媒として用いた不斉エポキシ化反応の開発を行った。特に、カルコンの不斉エポキシ化反応を検討したところ、80%ee以上の選択性にてエポキシ化体が得られてきた。また、この不斉エポキシ化反応のオリゴマー触媒の長さと触媒能について調べた。さらに、協奏型の生体模倣ヘリックス2次構造触媒の設計を行った。
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