2007 Fiscal Year Annual Research Report
海洋生物起源エアロゾル粒子の吸湿特性および雲凝結核能力の同時計測
Project/Area Number |
19030008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
持田 陸宏 Nagoya University, 高等研究院, 特任准教授 (10333642)
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Keywords | 海洋エアロゾル / 吸湿特性 / 雲凝結核 / 海洋生物 / 核生成 |
Research Abstract |
まず、海洋大気エアロゾル観測の準備として、エアロゾル粒子の吸湿特性の解析に用いるタンデムDMA装置の性能確認を行った。エアロゾル粒子の吸湿成長因子(加湿に伴う粒径の変化の度合い)の測定を精度良く行うためには、タンデムDMAの2段目のDMA内の相対湿度の条件をできる限り一様にすることが求められる。DMAのサンプルエア、シースエアの入口部分、およびシースエアの出口部分の相対湿度を温湿度センサでモニターしたところ、サンプルエア、シースエアの入口部分の相対湿度は、加湿器(ナフィオン管)の制御により目標値近くに安定させられることが確かめられた。一方、シースエアの出口部分の相対湿度には、他の2カ所の相対湿度と比較して食い違いが見られる場合があり、相対湿度の制御に改善の余地があることが示唆された。 また、海洋大気エアロゾル観測において必要になる装置部品の準備をすすめた。吸湿特性測定用タンデムDMA装置において、粒子個数濃度の測定には凝縮核粒子カウンタを用いるが、その排気には、粒子の凝縮に用いたn-ブタノールの蒸気が含まれている。ブタノールが高濃度で大気に放出された場合、観測サイトで行っている大気微量成分の測定に影響を及ぼすおそれがあることから、ブタノール除去用の部品を準備した。 上記の準備・検討の後、沖縄において海洋エアロゾルを対象とした大気観測を実施した。次年度以降に、観測で取得したデータの解析を行う予定である。
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