2008 Fiscal Year Annual Research Report
生態系の長期変動は西部北太平洋亜寒帯域の生物ポンプ機能を変化させたか
Project/Area Number |
19030012
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
千葉 早苗 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境フロンティア研究センター, 主任研究員 (40360755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 牧生 独立行政法人海洋研究開発機構, むつ研究所, サブリーダー (20359160)
笹井 義一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (40419130)
笹岡 晃征 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (20371148)
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Keywords | 生態系 / 生物ポンプ / 長期変動 / 時系列 |
Research Abstract |
(長期生態系変動)西部北太平洋における過去数十年の海洋環境と生態系変動の関係についてレビューした結果を論文にまとめ出版した(Chiba et al.2008&2009)。特に十年規模周期の水温偏差に応じた親潮域における生物生産タイミングの経年的変化や(温暖期:早い,寒冷期:遅い),温暖性種の分布の南北移動について報告した。 (衛星データによる生物季節的変化の検知)1998-2007年の衛星海色データを用いて北太平洋の基礎生産の季節変動パターンを明らかにした。その結果、水温の上昇が基礎生産に正に働く海域(ベーリング海・親潮混合域)と負に働く海域(アラスカ湾・黒潮海域等)が見られた。また同じく海色衛星データを用いて、西部北太平洋亜寒帯域における植物プランクトンブルームのタイミングの経年変動を調べた結果,十年間でブルームのピークが約一ヶ月遅くなっていることが分った。海洋研究開発機構が同海域で実施している時系列観測の結果では,1998-2007年の間に水深5000mにおけるオパールのフラックスの割合が減少傾向に有り,表層のプランクトン群集組成の変化が示唆されている。本研究の結果から,経年的な環境変化に応じた表層生態系の生物季節的変化が,主要プランクトン種の変遷を招き,結果として海域の生物ポンプ機能に影響を与えていることが推測された。 (動物プランクトンによる炭素の鉛直輸送)2006-2008年に調査船「みらい」により採集した表層の動物プランクトンの群集/サイズ組成から摂餌率/排泄率を求め,基礎生産量および亜表層への炭素の鉛直輸送効率との関係について調べた。しかし夏季の高生物生産季においては,それらの間に明確な関係は見られなかった。今後は低生産季について同様の見積をし,その季節変動について明らかにしていく。
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Research Products
(9 results)