2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19031001
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗原 和枝 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (50252250)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 博 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (20400426)
水上 雅史 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (60333902)
|
Keywords | トライボロジー / 表面・界面物性 / メゾスコピック系 / マイクロマシン / 表面力測定 |
Research Abstract |
本研究は申請者らが開発したナノ共振ずり測定法とFECO分光法の同時測定により、ナノメートルレベルの隙間に閉じ込められた2成分液体の静的・動的構造を調べ、閉じ込め、およびせん断という外場の影響下で発現する構造とダイナミクスの理解と制御を目的とする。試料としては主に液晶-色素2成分系を用い、ナノ共振ずり測定より2成分液体薄膜の構造化挙動を、またFECO分光法より2成分液体薄膜中の組成と配向を評価する。さらに、計算科学シミュレーションより閉じ込め空間における2成分液体の構造化挙動を検討し、実験と合わせて構造化挙動を決定する因子(分子構造、組成、相溶性、表面との親和性など)を検討する。 19年度には、種々の色素(NK79,NK76,Perylene)/液晶(6CB)の2成分系を試料として用い、ナノ共振ずり測定より2成分液体薄膜の構造化挙動を、またFECO分光法より2成分液体薄膜中の組成と配向を評価し、分子構造、組成の効果について検討を行った。その結果、全ての色素において、表面間距離の減少に伴い雲母表面間の色素濃度が増大し、そのとき、色素/液晶(6CB)2成分系の構造の不安定化が起こることがわかった。また、分子構造の平面性が高いperyleneで濃度上昇が最も顕著であるが、構造の不安定化の効果は小さく、嵩高いNK-79,NK-76では濃度上昇の程度は低いが、構造の不安定化が起こりやすいことがわかった。 また、新しいナノ薄膜評価法として、表面力/共振ずり測定・蛍光寿命同時測定装置の開発を行った。
|