2007 Fiscal Year Annual Research Report
興奮性細胞のゆらぎのダイナミクス-単一細胞解析によるアプローチ-
Project/Area Number |
19031010
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
原田 崇広 University of Fukui, 大学院・工学研究所, 講師 (80432152)
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Keywords | 生物物理 / 計測工学 / 組織・細胞 / 自己組織化 / 生理学 |
Research Abstract |
様々な種類の培養細胞の細胞膜電位の活動にスケール不変なゆらぎが存在することは、以前からの研究によって知られていたが、そのメカニズムに関してはほとんど何も分かっていなかった。特に過去の研究では、主に細胞集団に対して研究が行われていたため、スケール不変性のゆらぎが単一細胞に起因するものかどうかはっきりしていいなかった。 そこで本研究では、培養心筋細胞の自発的拍動の性質を広い時間スケールにわたって調べた。ラット新生仔由来の心室筋細胞を初代培養し、顕微鏡上に構成した培養チャンバー内で自発的拍動の様子を数時間にわたって記録し、拍動タイミングの統計的性質を調べた。その結果、他と相互作用のない孤立した細胞について、いくつかの典型的な拍動パターンが見られ、それらの間でゆっくりとした遷移が起こることがわかった。また、いずれのパターンについても拍動のタイミングが長時間スケールで1/f^βゆらぎしていることが明らかになった。さらに、単一細胞レベルにおいてマルチフラクタル性の存在も確認された。以上の実験結果は、簡単な数理モデルによって判定料的に再現できることがわかった。 上述のような特徴的なゆらぎを生成する分子的メカニズムについては、現在研究を継続している。予備的な実験によって、心筋細胞に発現しているATP依存性カリウムチャネルが、パターン間の遷移に重要な役割を果たしでいることを示唆する結果を得ている。 本研究を進めることによって、単一細胞レベルにおいて活動の恒常性を維持する機構について、新たな知見が得られることが期待される。
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Research Products
(3 results)