2008 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック共重合体のエピタキシャル構造転移に伴う三次元構造・ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
19031016
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
陣内 浩司 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (20303935)
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Keywords | ブロック共重合体 / 構造転移 / 電子線トモグラフィー法 / エピタキシャル転移 / Gyroid構造 |
Research Abstract |
本研究は、流動・電場などの外場の印加や温度・圧力などの環境変数の変化に伴うブロック共重合体の構造-構造転移(Order-Order Transition, OOT)を、最先端の透過型電子線トモグラフィー法(3D TEM)により3次元的な実像として捕らえ、その3次元構造とOOTのダイナミクスを明らかにすることを目的とする。 本年度は電子線トモグラフィー法(3D TEM)による構造-構造転移(OOT)の3次元観察を行った。試料としてPoly(styrene-block-isoprene)(SI)を用い、3次元構造であるGyroid構造と棒状ドメインが六法格子状に充填したHexagonally-Packed Cylinder(HEX)構造の間のOOTについて検討した。このSIブロック共重合体が、Gyroid構造を呈している状態から、HEX構造が平衡であるような熱力学的平衡状態へ温度を急変させ(Gyroid⇒HEX)、その転移過程を液体窒素などにより急冷して固定化した上で、2つの構造の接合部分を3D TEMにより立体観察し、得られた画像からドメインの連結性・結晶面などの構造情報を決定した。前年に検討したGyroid構造と孔の空いたレイヤー状の層が積層したHPL構造のOOTの場合と同様、エピタキシャル転移が起こっていることが分かった。従来予測されていたGyroid構造の{111}、{211}、{220}面がシリンダー構造の{001}、{100}、{110}面に転移する様式とともに、Gyroid構造の{220}、{111}、{211}面がシリンダー構造の{001}、{100}、{110}面に転移する新しいOOTも発見した。この結果は、今後のOOT理論に影響を与える重要な結果と考える。
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Research Products
(6 results)