2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19031019
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 進 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (30280598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十河 清 北里大学, 理学部, 准教授 (30265730)
大西 楢平 東邦大学, 理学部, 特任教授 (50459822)
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Keywords | ソフトマター界面 / 分子動力学シミュレーション / スケール適合数理モデリング / 脂質二重層 / 確率模型 / 分数微分方程式 |
Research Abstract |
ソフトマター系における界面のトポロジー変化をも含めた新しいシミュレーション法を確立するため、分子動力学的アプローチとスケール適合数理モデリングからのアプローチを並行して行い、スケールの整合性と統合の仕方の検証を行った。分子動力学的アプローチでは、脂質二重層の構造と流動性に関する粗視化分子動力学シミュレーションを行った。ここで扱った分子モデルは、2本の疎水性尾部を持つ脂質分子と水粒子から成る粗視化モデルである。脂質分子内の結合ポテンシャルとして、結合伸縮ポテンシャルと結合曲げポテンシャルを考えた。また、同種粒子同士、及び、親水基と水粒子との間の非結合ポテンシャルは、Lennard-Jones(LJ)ポテンシャルとし、疎水基と親水性粒子(親水基と水粒子)との間の非結合ポテンシャルは、LJポテンシャルの斥力部分のみとした。脂質二重層の流動性を決定する要因を明らかにするため、水粒子と親水基、親水基同士、及び疎水基同士の間の3種類の相互作用の強さを変えることにより、脂質二重層の構造と流動性がどのように変化するのかについて解析を行った。その結果、脂質分子の側方拡散定数は、脂質分子の占有体積及び膜内に入り込んだ水粒子の運動性で決まることが明らかになった。一方、スケール適合数理モデリングからのアプローチでは、異常拡散の確率模型を考え、定温定圧条件下で一成分ソフトコア系の分子動力学シミュレーションにより求められた非平衡定常状態(ガラス状態)の解析を行った。その結果、空間次元および粒子濃度により平均二乗変位などの動的振舞いに顕著な相違が見出された。さらに、分数微分によるメモリ効果を含むLangevin方程式の数理解析を行い、異常拡散の動的特性を考察した。
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Research Products
(17 results)