2008 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体の非線形光学定数の精密評価と内部電界による制御
Project/Area Number |
19032003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 高志 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60205557)
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Keywords | 非線形光学材料 / 窒化物半導体 / 非線形光学定数 / 第2高調波発生 / 疑似位相整合 / 波長変換 |
Research Abstract |
バルク試料を用いた回転型メーカーフリンジ法とウェッジ法とを併用することでSiCとGaNのintrmsicな非線形光学定数(d=x^<(2)>/2)の精密測定をおこなった。また, MBE法によるGaN周期極性反転構造の作製と導波路作製に取り組んだ。 1. SiCの非線形光学定数精密測定 GaNエピタキシャル薄膜の非線形光学定数をはかる準備として, 基板材料となるSiCの非線形光学定数評価をおこなった。その結果は以下のとおり。6H-SiCの非線形光学定数は, d_<31>=6.7pm/V, d_<15>=6.5pm/V, d_<33>=-12.5pm/V。4H-SiCの非線形光学定数は, d_<31>=6.5pm/V, d_<15>=6.7pm/V, d_<33>=-11.7pm/V。両者は測定誤差の範囲内で一致しているが, 4H-SiCのd_<33>が若干小さく, 理想的四面体構造に対して予想されるd_<33>/d_<31>=-2からのずれが大きい。これは, 4H-SICが6H-SiCと比較して格子の歪みが大きいことを反映している。 2. GaNの非線形光学定数精密測定 液相成長のバルク試料とエピタキシャル成長自立基板を試料として用い, GaNのintrinsicな非線形光学定数の精密測定をおこない, 以下の結果が得られた。d_<31>=2.4pm/V, d_<15>=2.5pm/V, d_<33>=-3.8pm/V。GaNは理想的四面体構造からの歪みが大きく, その結果, d_<33>/d_<31>=-2の関係から大きくずれている。また, この結果は, エピタキシャル薄膜試料を用いて測定された既報の値と比較してかなり小さく, これまでの測定に内部電界と3次非線形光学効果の影響が混入していたことをうかがわせる。 3. 周期極性反転GaN導波路の作製 MBEによるGaNエピタキシャル膜の格子極性制御の再現性を確認した上で, 疑似位相整合波長変換デバイス作製に不可欠な周期極性反転GaNの作製をおこなった。また, 導波路デバイス作製プロセス開発の第一段階としてリフトオフによるリブ構造作製が可能であることを示した。
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Research Products
(10 results)